『最近の中国事情と「日本軍と共謀した毛沢東」』
一党支配下で自由経済に突入した中国は、共産党幹部に利権が集中し、激しい腐敗を招いた。日本の国家予算の半分に匹敵する金額が賄賂として個人のポケットに入り、それが海外流出しているのが現状だ。
胡錦濤と習近平は政権に移行する際に「腐敗を撲滅しなければ党が滅び、国が滅ぶ」という危機感を共有。建国以来、これほどまでに平和的に政権が移行したことはなかった。わが国では中国に対する誤った分析がまかり通っているが、間違った分析は日中関係を見誤らせる。権力闘争する余裕はいまの中国にはなく、ひとたび国家主席になれば10年安泰が保証される中国は日本とは根本的に権力構造が異なることを理解すべきだ。また、反腐敗運動は反対勢力を倒すことではなく、反腐敗運動をすることでかえって敵をつくり、賄賂が文化という中国では反腐敗運動によって経済が減速する側面もある。
中国で生まれ育ち、中国語に堪能で政府高官と強いパイプを持ち、中国政府の内部事情に精通する遠藤氏は、貧富の格差や高齢者問題、構造改革を拒む地方利権集団など、中国が抱える様々な問題を詳細に解説した。「中国政府の政策判断の基準は一党支配体制の維持にあり、薄熙来事件で毛沢東の威力を痛感した習近平が毛沢東回帰に向かったが、毛沢東の本質は、マルクス・レーニン主義を利用した帝王学に過ぎない」と指摘。「中国は歴史問題で対日批判を強めているが、日中戦争時、建国の父である毛沢東は日本軍と共謀しており、中国共産党政権に歴史カードを掲げる資格はない」とし、中共スパイ相関図を提示して日中戦争時の中共側の真相を詳細に解説。「毛沢東の戦略はあくまで政敵である蒋介石率いる国民党軍を弱体化させることにあり、そのために日本軍とでも手を結んだ。自分が天下を取るためなら手段を選ばない、これがいま習近平国家主席が慕ってやまず、そのポーズを取ることによって自らを神格化しようとしている建国の父の真の姿だ」と述べた。
そのうえで「歴史を直視しないのは中国共産党であり、中国が掲げる歴史認識問題の負のスパイラルから日本を救うには、日中戦争時代、毛沢東が日本軍と共謀していた事実を中国に突きつける以外にない。この事実を日本の最強の外交カードとすべく、日本は一刻も早く論理武装をしなければならない」「客観的事実を正視する勇気こそが真の日中友好につながる」と結論づけた。