「政民合同會議」2020年2月12日(水) 講師/鈴木宗男 日本維新の会・参議院議員

2020年02月12日
  

「政局の行方とロシア問題」

 チャーター機の手配の判断など、新型コロナウィルスへの安倍政権の対応は素早く、安倍首相はリーダーシップを発揮したといえるだろう。桜を見る会、IR問題などで政権への風当たりは強いが、野党の政治家はマスコミの不確かな情報を鵜呑みに追及しているに過ぎず、国会は裁判所でも警察でもない。あくまで予算の成立を最重要課題として審議にあたるべきだ。
 1944年のヤルタ協定はあくまで密約で、原爆投下後にソ連は日本に侵攻。その結果、日本が南樺太をソ連に返還、千島列島をソ連に引き渡すことになったことは1956年の日ソ共同宣言にも影響を及ぼした。
 国際法的には終戦は8月15日ではなく、9月2日であること、四島一括返還は冷戦構造下のソ連時代のフレーズであることを国会議員も理解していない者が多い。200海里の重みを理解すべきだ。
 なお、「北方領土」という言葉は戦前でも、戦後でもなく、昭和31年に生まれた言葉であり、「四島一括返還」という文言も昭和50年に初めて使われた言葉であることも留意すべき。
 ソ連が崩壊してロシアとなり、当時のエリツィンも北方領土が未解決問題であることに言及。日本政府も四島一括返還から四島の帰属を確認して返還時期も柔軟に対応すると方針転換した。
 橋本・小渕・森政権下、1956年宣言で担保されている二島の返還を求めた後に残る二島の帰属について協議する路線で一致していたが、小泉政権で四島一括を言い始め、日ロ関係は10年の空白に。第二次安倍政権以降、ようやく領土問題の解決なくしては条約締結もないという、56年宣言を基礎にした平和条約締結に向けて動き出した。安倍―プーチン間でしかこの問題は解決し得ず、歯舞、色丹の“二島返還プラスアルファ”が現実的だろう。
 鈴木宗男氏は、平均年齢85歳の元島民の「自由に島に行き来し、海を使いたい」という想いを代弁するとともに、日ロの技術面での協力の可能性についても示唆した。また、自身が18年前にマスコミから受けたバッシングを振り返り、「裏付けのない事実でない情報で議論すべきではない」とマスコミに強く訴えた。