「どう政治改革に取り組むか」
「政治とカネ」の問題をきっかけに国民はもとより、自民党の支持基盤からも自民党への不信感が高まっている。自民党の衰退は日本の衰退につながり、自民党の解体的立て直しなくして国民の信頼は得られない。自民党は時代の期待に応える改革をしてきたのだろうか。自民党は所詮現状維持政党でしかなかったのではないか。新党を創るか、自民党を立て直すべきか。よりよい未来を創っていく意味では政権政党としての責任を十分果たしてこれなかったのではないかと、当事者として責任を強く感じている。
改めて自民党結党の原点を振り返ると、現行憲法の自主的改正という点ではまったく手をつけてこなかった。岸田総理は先の訪米時に、「日本はグローバルパートナーとして日米協力のなかで対応する」と発言したが、現行憲法では不可能だ。
1951年、当時のスリランカ大統領はじめアジア各国の提言がなければ、サンフランシスコ講和会議で日本の国土は米ソ英中によって分割統治される恐れがあった。このことに恩義を感じ、経済成長を果たしたわが国はアジア各国にODAなどで支援してきた歴史がある。戦後の占領政策で日本人に自虐史観が根付き、いまだにその呪縛から解き放たれていない問題はあるが、世界で唯一の被爆国として、また、書道などの「道の思想」や異なる価値観も受け入れる「和の文化」を持つ国として、戦争なき平和な世界を創るために日本の果たすべき使命がある。
安倍派の政治資金規正法違反事件で党員資格停止の処分を受けた下村氏。憲法改正推進本部長時代にまとめた憲法改正案について解説し、「自国の安全は自国で守るために、憲法を改正することで自衛隊の法的根拠を明確にし、国の安全を保障する体制を整備することを目指すべき」と語った。また、「岸田総理は『選挙で信を問う』と言うが、自民党そのものが信を問うのは当然としても岸田総理のための総選挙ではなく、やはり組織のトップとして責任をとるべき」「政治とカネの問題は2005年の森派時代にはすでにあったもので、岸田総理が森元総理に経緯を詳しく問うべき」と述べた。