「ロシア・ウクライナに停戦はあるのか」
ロシア・ウクライナの停戦は米英、NATOが武器や資金援助をしなければすぐに実現する話だが、なぜそうならないのか。両国の戦争が米英の軍需産業を押し上げるからだ。バイデン大統領は、トランプ前大統領とのテレビ討論会で「米国経済が好調なのは軍需産業が好調だからだ」と言ったが、軍需産業が好調なときが平和であろうはずがない。
日本のメディアは国連憲章第2条4項を引き合いにし、「ロシア=悪」「ウクライナ=被害者」として報道するが、これはあくまで西側の論理だ。戦争の発端はロシア人の生命が脅かされたことにあり、国連憲章第1条2項の自決権の尊重に触れないのはフェアではない。戦争には双方に言い分があり、先の大戦は日本が先に仕掛けたが、ABCD包囲網があったためだ。
2022年2月に始まったロシア・ウクライナ戦争だが、その4か月前、ウクライナはロシア人が多く住む地域にドローンを飛ばし、米バイデン大統領はロシアが攻め込むと煽ったことに多くのメディアは触れない。また、ゼレンスキー大統領がブダペスト覚書の再協議を持ち出してロシアを挑発した。
ロシアとウクライナは歴史的に兄弟のような関係で、戦争から2年半の間に停戦の機会は幾度もあったが、英ジョンソン前首相が停戦に反対するなど、米英に翻弄され続けてきた。いまだ両国は停戦条件を巡って平行線を辿っており、日本が間に入って停戦交渉を行うべきだ。
日本はG7でウクライナに人道支援のみで武器支援をしていない唯一の国であり、ロシアもそのことをよく理解している。中国、ブラジル、インドが両国の停戦案を出しているが、日本もここに加わるべきだ。
鈴木氏は、「停戦を一貫して主張している政治家は日本では私だけだ」と力強く主張。昨年から2度ロシアを訪問し、同国の好調な経済にも言及した。また、「遠くの親戚(米国)より近くの他人(ロシア、中国、韓国)」「外交は歴史の積み重ね。事実関係を踏まえた議論が必要」として、世界一のエネルギー大国であるロシアと日本との関係性の重要性を強く訴えた。
その後の質疑応答では、迫る自民党総裁選の行方に質問が集中した。鈴木氏は各候補の特徴を分析し、「停戦交渉を掲げている候補者は残念ながら一人もいないが、次の総裁に日本が停戦で大きな役割を果たすことを期待したい」と述べた。