「時局を読む」
人生100年時代、人口減少時代、AI時代、アジアの時代が近い将来同時にやってくる。2020年に日本の女性の半分が50歳を超え、異次元の少子化対策、子育て支援が不可欠になる。2024年には3人に1人が高齢者となるが、2040年に高齢者の数がピークを迎えることから、この20年に介護制度の歪みを整え、次の時代に引き継いでいくことがいまの政治に最も求められる。
2028年にはインドが日本のGDPを追い抜き、中国が米国を追い抜くようになる。アジアの成長と躍動をどう日本の中に取り入れていくべきかを考え、21世紀の日英同盟も検討する必要がある。
企業の収益がよく、好景気にもかかわらず世帯所得の中央値がこの30年間下落し続け、実質賃金も長期的の下落トレンドにあるのは先進国において日本だけだ。働き改革を行ってもこのトレンドを改善しなければ生産性は向上しない。この20年間に日本の世帯年収は22%下落。年収400万円以下の世帯が47%を占め、子どもと高齢者の貧困が増え続け、低年金、無年金層も増えている。いまは一人あたりのGDPは世界で26位に落ち込んでいる。インバウンド増といわれるが、日本がそれだけ安い国になっているということでもある。
あるべき政策とは、貯金ゼロでも不安ゼロの社会、人生100年時代に老いも若きも生活保障のある暮らしだ。家計の可処分所得を増やさねば消費力は増えない。消費を軸とした“令和の好循環”をつくるため、内需拡大に向け、マイナス金利は止め、消費税は減税、人生の基礎をつくる20代の若者には所得税・住民税免除という思い切った政策も効果的だ。また、教育、研究開発、インフラ整備に対しては未来に向けた大胆な投資が必要。
「改革中道政党でありたい」と国民民主党代表の玉木氏。日本の国際競争力が落ちている現状を危惧し、さまざまな角度から党として訴えていきたい経済政策について述べた。
その後の質疑応答では少子化対策をはじめ、参加者からさまざまな提言がなされるなど、活発なやり取りが行われた。